お知らせ

開園したての ひかり動物園は、小さな小さな動物園でした。

積み木で作られたキリンの「キーちゃん」は、開園当初からいる人気者。

動物園の入り口に立って、お客さんを迎えるのが キーちゃんの仕事です。

今では、ひかり動物園は大きくなり、たくさんの動物が飼育されています。

キリンの仲間もたくさん増えました。

キーちゃんはずっと同じ場所に立って、お客さんを迎えていました。

 

あるとき、別の動物園から手紙が来ました。

「キリンを譲ってください」

子どもたちは悩みましたが、みんなで相談して、キーちゃんを譲ることにしました。

その動物園が、絵本に描かれている「きたのどうぶつえん」だったからです。

 

日曜日の夜、キーちゃんは「きたのどうぶつえん」にもらわれていきました。

子どもたちはキーちゃんに手紙を書きました。

「きーちゃん いっぱい あそんでくれて ありがとう」

*   *   *

キーちゃんが「きたのどうぶつえん」に行くことになったのには、担任の思いがあります。

キーちゃんは積み木ですから、お世話しているうちに少しずつ壊れていきます。

何度も「けが」を治しながら飼ってきましたが、

何とかバランスをとって、ぎりぎり立っているような状態でした。

もう明日にでも崩れてしまいそうなキーちゃんを見て、

「とても可愛がっていたから、崩れて終わりにしたくない」と担任は思ったのです。

 

キーちゃんは今、「きたのどうぶつえん」の人気者になっています。

 

 

 

 

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