保育・教育・研修
2020/10/11
ともろこしやトマトなどの食物や植物は、毎年のように子どもたちと植えたり、育てたりします。それは収穫したりする中で、子どもたちの喜びや楽しみ、毎年の繰り返しの生活に喜びを見出し、生きる見通しにもなります。
そのため伸びていくトウモロコシを毎年のように栽培します。
品種はポップコーン。子どもたちが大好きな食べ物です。このトウモロコシを収穫し食べます。
ただ、ポップコーンは食べるまでに干すという作業があります。ポップコーンを干して固くして、さらにおいしいものが仕上がります。そのため、そのまえに5歳児で絵画の造形表現活動をおこないます。
ひとつぶひとつぶを丹念に描くことができる5歳児ならではの表現的な活動です。
そうやって、ただ単に育てるだけでなく、植物などは骨の髄まで子どもたちの遊びや生活にしみこんでくれます。
トウモロコシの葉、茎(肥料に)、ヒゲ、芯、実すべての部分が文化財産になります。
何よりそこで見られる子どもたちの遊びと生活の風景がなんと喜ばしいことか。
さて、いよいよ食します。ポップコーンの調理です。映画館で親しんだ食べ物ができる様は子どもたちにとって面白く楽しいようです。感嘆の声があがります。
よく観ている子は「はじける」タイミングは、「こうやってな粒がパカってわれるとき」と見極めたり、「踊ってる!」と喜んだり、「花火だー!」と自分の花火になったり、「ポンポンポン」と身体全身ではじけるのを喜んだりしています。「食べる」ことが楽しみで、そこから見学にくる子もいます。そうやってトウモロコシを5感全体を使いながら感じています。
ひとつの植物や活動にも子どもたちひとりひとりの個性がみえて、環境や友だちとの関わりを増していきます。
トウモロコシという文化財産が、子どもたちが自ら育つ力をひきだしてくれます。
兵庫県西宮市
社会福祉法人任天会 日野の森こども園
園長 松本崇史